不正出血

不正出血と女性の身体のサイクル

体の中に海がある?

現在、日本の社会ではグレゴリオ暦が広く用いられている。これは日曜日に始まる7日間を1週とし、ひと月を28(閏年は29)30,31の言ったバラつきのある日数に定める太陽暦の1種である。

対して、月が満ち欠けする朔望の1周期をひと月とする暦を太陰歴と言う。

現在でもイスラームの断食に用いられる暦ヒジュラ暦が太陰暦としてよく知られている。

陰とは、物事を作り出す陽のエネルギーの対立概念であり、日に対する月、地上に対する地下、水、女性性等物事が減衰して鎮まっていくときのエネルギーの総称である。

朔(新月)から始まる月の満ち欠けは地上の水の潮位変化とそれによって体の大半を構成されているすべての命に大きな影響を及ぼす。

女性が初めて迎える月経を初潮と言うが、これは周期的に起るその様を海水の満ち引きに例えたものである。

私たちの骨格のうち、上半身と下半身を繋ぎ子宮、卵巣、膣、膀胱などを内側に擁する部位を骨盤骨と言う。

骨盤骨は左右に分かれ、恥骨結合と言う部位によって繋がっている。この恥骨結合の動きは出産のためのものなので、女性の方が男性より開く幅が大きい。

身体全体の動きが妊娠準備に向かっていく生理終了後から約2週間後(平均値)の排卵にかけては骨盤がしまる。

これを高潮期と言う。対して、妊娠の可能性が無くなり、蓄えた栄養を捨てる指示が脳から出される後半2週間は徐々に骨盤が緩み、開いていく。

これを低潮期と呼ぶ。極々標準的な月経周期を持っている人は朔望とほぼ同じ(どの月齢に高潮期になるかは人による)骨盤開閉のパターンを持っていると言われている。

月経と女性ホルモン

ホルモンとは「活性化しむるもの」の意を持ち、私達の身体の中に分泌され、各器官の動きを調整する物質のことである。

他に食用の動物の内臓をホルモンと呼ぶがこれは「放る(関西方面で捨てるの意)もん」から派生した言葉であり、生理現象とは全く関係がない。

因みに、月経を司る卵胞ホルモン、黄体ホルモンは身体の中で生成されるものであり、人工的に生成されたものでもない限り体外から摂取することは不可能である。

豆乳のイソフラボン、マメ科のプエラリアのフィトエストロゲンなどは卵胞ホルモンとよく似た働きをすると言われているが、あくまで代用品であって女性ホルモンその物ではない。

卵胞ホルモンことエストロゲンは、排卵を促すホルモンである。また、卵子用ベッドこと、子宮内膜を分厚くする役割も持つ。

排卵しても精子と出会えず着床(卵子が子宮壁に定着すること)しなかった場合は時間経過と共に、卵子の質が落ちていくため体はそれを捨てるように指示を出し、やがて使われなかった子宮内膜も捨てて新たに妊娠の準備をやり直すように促す。

これが月経だ。エストロゲンが未成熟の卵子を育てるホルモンならば、黄体ホルモンは受精した卵を守り、着床させ、体外に排出されないようにする役割を持つホルモンであり、排卵を境にエストロゲンよりも優位に立って活動する。

黄体ホルモンが分泌されている時期は妊娠できないため、外見、行動ともに女性らしさが失われる。

きれいを作り出すためにはエストロゲンが元気な時期を長くすることが必要だが、出過ぎると子宮内膜をまったく関係のない場所に作り出し内膜症を起こすことがあるので要注意だ。

不正出血と妊娠

現在、パートナーがおり相手との子を望んでいる人は自分の月経に特に気を配る必要がある。

受精した卵子が着床すると、黄体ホルモンが働いて子宮内膜を保持し流産を防ぐようになるので、月経は来なくなる。

しかし、着床と共にホルモンのバランスが変化する際に少量だけ出血し、下着が汚れることがある。

これが着床出血と呼ばれる現象である。他に胸が張る(触られると痛い)等の症状が出ることもあるようだ。

しかし、これらの現象は妊娠した人すべてに起きることではなく、出血を一切伴わないまま出産に至る人もいる。

妊娠の兆候としてよく知られているものは他にもあるが、人によって現われる程度には違いがある。

読者の皆様には避妊具を使用せずに性交した女性のすべてに妊娠の可能性があることを覚えておいていただきたい。

オギノ式もしくは基礎体温法での避妊は計算が狂うこともあるし、膣外射精(少量分泌される液に精子が含まれる)も正しい避妊法ではない。

子を産みたくないような相手もしくは妊娠できない状況では性交しないことが生物の在り方としては本筋だが、やむを得ない場合でも正しい知識と責任感をもって行為を行ってほしい。

また、妊娠の可能性のある性交をした後は、流産を防ぐために冷えや過度の飲酒等不摂生は控えてほしい。

妊娠の兆候があった後に、鮮やかな色の出血が出た場合は切迫流産や子宮外妊娠の可能性があると言われているのですぐさま受診してほしい。

筆者の知人には不正出血があり、着床出血かと思っていたが、あまりにも長く続くので薬剤師に症状を説明したところ、火急の受診を勧められ卵管に受精卵が着床する子宮外妊娠、後少しで破裂して母体も危かったかもしれないと医師に言われた人がいる。

不必要に恐れる必要はないが、読者の皆様には御身大事に用心深く生活を行っていただきたい。

正常な月経とは

月経は体がある程度成熟し、妊娠可能になった女性ならば誰でも経験することである。

経血は体が不要になったものを捨てた結果であるので、本来生理は来たら喜ぶ(発汗と一緒で1番お金がかからないデトックス。

正常に生理が来た後は身体のラインや肌が整うので羨ましいと言う男性も)べきなのだそうだ。

しかし、経血は見た目や匂いが強烈な印象を与えるうえ、生理イコール性にまつわる不浄でいやらしい話と言う見方をする人が未だ多く、自分の月経についての疑問を人に聞けない、また、月経によるトラブル(経血過多の人は外で血だらけになってしまうことがある)が起きても誰にも助けを求められず状況を悪化させてしまうことがある。

女性の多くが正常な月経とは何かを知らないことが各婦人科疾患の発見を遅らせていると言う指摘もある。

標準的な月経周期は3週間から5週間前後だと言われている。

また、平均的な経血量の目安は各メーカーが発売している生理用品を正しく装着した状態で受け止めきれる量だ。

自分の月経量と言うのは中々把握できないものである。女性がワンクールの月経で排出する経血の量は多くの場合、100グラム以内(多くても1日30グラム程度が正常域)におさまると言われているが、まさか生理用品をはかりにのせて量るわけにもいくまい。

現実的には量よりは粘度や塊の有無等性状の方が観察しやすいようだ。月経の周期、経血の量、色などは個人の体質や、その時の体調、直前の行動などによって目まぐるしく変化することがある。

そのため正常値から少し外れた程度で大騒ぎをする必然性はないが、不安や不快感がある状態では普段の生活もままならないので早期に受診することをお勧めする。

不正出血と女性器の構造

生殖器の構造は性によって大きく異なる。

日本神道の記録である『古事記』の冒頭は、男性であるイザナギノミコト、女性であるイザナミノミコトが互いに柱の影から呼び交し、国生みをする場面から始まる。

イザナミがいう「なりあわぬところ」と言う語彙は、女性の生殖器の多くが体の中に隠される内性器であることを如実に示し(男性器はイザナギ曰く「なりあまれるところ」)古代人の性的なアイデンテティの論拠を示す貴重な資料だと言われている。

女性器はくぼみであると言う認識は洋の東西を問わず受け継がれてきた概念であり、フロイトなどが興した精神分析学では洞窟壺、鍵穴などすべてのくぼみは女性器を暗示するものとされている。

この場合、性器と呼ばれるのは膣及び子宮、そこにつながる卵管と卵子と言う命の記録カプセルの保管庫である卵巣を示し、陰唇等の外性器は殆ど無視されていると考えて差支えがない。

子宮は、受精卵を育むためのゆりかごの役割をする女性特有の臓器である。

子宮内部は少しいびつな漏斗とよく似た形状をしており、子宮体部、子宮頸部など各部位に分けられる。

子宮は右の卵管、左の卵管、下方の膣と言う3つの開口部を持ち、卵巣もしくは体外と接続している。

子宮、及び膣内は常に一定の温度が保たれ、各種の分泌液によってその表面を覆われている。

子宮体部は子宮内膜と言う3層からなる組織で覆われ、受精卵を育むための栄養はこの層に蓄えられる。

この内膜が他の分泌液と共に体外に排出されるのが月経だが、何らかの原因で勝手にはがれてしまうと不正出血の要因になると言われている。

男性にも、生理は有るの?

月経によって出血がおこるのは、卵巣と子宮を持つ女性特有の現象である。

男性にとって生理は未確認飛行物体UFO、ヒマラヤの雪男、ソロモンの指環以上の謎であり、禁忌である。

パートナーの体調が悪いのは分かる、生理と言う現象も小学校以来の保健体育の授業でメカニズムを教わって知っている。

でも、普段は優しいパートナーが「アレ」の時だけ豹変して冷たくなってしまうのかわからないと言う男性は多いのではないか。

月経の期間中は妊娠ができないため、女性はちょっかいを出してくる異性を排除するための行動を無意識のうちに取る。

生理前にジキルとハイド並みにキャラクターが変わっても彼女が悪いのではない。

彼女のお腹の中にいる「タマゴ」が自分の遺伝子を残すためにしていることなので「優しくて可愛い彼女」が戻ってくるまでじっと我慢していただきたい。

中には純粋に「病気でないのに血が出て辛くないのか」と心配になる人もいるようだが、その質問に女性としてお答えすると生理期は身体面でも辛いことが多い。

デートのときには長時間座らずに済むようにする、移動距離を減らし早めに切り上げる等の配慮をさりげなくして頂けるとありがたい。

実は、男性にも女性ほど頻度は高くないが周期的な不調が起りうると言われている。

私たちの腰部にある骨盤骨は周期的に開いたり閉じたりするが、全身の筋肉はそれに伴って緊張、弛緩を繰り返している。

男性でも敏感な人はこの周期の影響を受け、疲れやすくなったり、こりやすくなったり、太りやすくなったり気がふさいだりすると言ったことがあるようだ。

更年期障害も女性にしかないと言われてきたが、近年でも男性でも深刻な更年期障害が起きることがあることが分かってきている。

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