不正出血

不正出血の対処法

まずは婦人科を受診しよう

不正出血は女性の身体に起きる現象の中でも月経や急激な体重の増減(骨盤が開く低潮期には増えやすくなる人が多い)やむくみなどと並んで比較的頻度が高いポピュラーな現象である。

月経自体の経験が少ない若年者は不正出血で下着が汚れていると一体何の病気かと慌ててしまうことが多いが、不正出血だけで死に至ることはまずないので落ち着いて出血の状況を確認しよう。

不安な人は、母親、姉妹(彼女たちは遺伝、生活習慣的に体質が似ることが多い。姉妹で全く生理周期が同じになる人も)に相談して、助言をもらおう。

匂いが異常、量が多い、止まらない、強い下腹部痛を伴うなど明らかな異常がある場合は、婦人科に電話し、受診予約を取ることをお勧めする。

婦人科を受診する際には、内診があることがあるため、裾をたくし上げやすいスカートと前開きの上着と言った服装で行くとよい。

内診が嫌な場合、医院によっては超音波エコーのみで子宮の様子を確認できることもあるが、膣内の腫れなどはやはり直接見なければ分からないことがあるそうだ。

スタッフの全員が女性の医院もあるので、インターネット上の病院検索を利用して探してみよう。

診察では超音波エコーのプロープのすべりをよくするためや膣鏡(俗称クスコは膣鏡の種類のひとつにしか過ぎない)の挿入時患者の負担を軽くするために、潤滑剤が用いられることが多い。

身体を拭くためのタオルと、生理用ナプキンを必ず持参するようにしたい。

良い病院の探し方

勇気を出して婦人科を受診し、不正出血を本格的に治療したい人にとって難関のひとつとなるのが病院選びである。

内科や呼吸器科、耳鼻科などは普段から受診することが多いが、妊娠や大きな月経トラブルを今まで経験してこなかった人は婦人科の受診経験がないことが多い。

婦人科に限らす、良い病院の条件とは、
医師がきちんと患者の話を聞くこと、
過剰な投薬をせず処方についていつでも相談に乗ってくれること、
患者の求めがあればカルテ開示を厭わないこと、
待合室、診察室の換気(窓の数と空気清浄器加湿器の有無をチェックしよう)が十分になされ、検査器具および什器の消毒が徹底されていること。
医師看護師共に口が堅いことである。

病院の評判は実際に受診した人の書く口コミを確認すると手っ取り早く知ることができる。

口コミはインターネットの他、知人友人との井戸端会議などでも入手できる。母親や姉妹がかかっている病院があるのならばまずそこに行ってみると面倒がないようだ。

病院が見つかったら、次はいつ受診すべきかを考えよう。

妊娠中の出血や痛みや悪臭など明らかに変だと感じることがあるのならば受診を先送りにするべきではないが、茶褐色の帯下がおりものシートや下着に少量付着すると言った状態では、すぐに受診すべきかどうか悩んでしまうこともある。

内診があることや、移動の辛さを考えると、出血のある月経期は避けた方がよい。

月経前に乳房の張り(触ると痛い、下着をつけられない、時に乳汁が分泌されることもある)下腹に張りがあり痛い問い症状が毎回出る人は、その時期に受診すると医師も判断がしやすい。

ただし、体力も落ちている時期なので空調による冷え、のぼせ風邪などの感染症には気をつけて。

不正出血の治療法

不正出血の治療における最優先事項は、出血を止めることであると言われている。

仮に、出血の裏側に隠れているものが、体調変化によるホルモンバランスの崩れであったとしても貧血や陰部の過度の湿潤による感染症、患者の精神的な負担等負の現象を引き起こす出血を止めなければ生活の質QOLは下がったままだ。

不正出血の治療は、多くの場合低用量ピルや漢方薬、性器の炎症を抑える抗生剤、子宮頸がんの場合抗がん剤の処方等、投薬による治療、内視鏡手術による腫瘍の除去等の外科処置がとられる。

原因疾患を突き止めるためには、婦人科医の目視と触診による内診の他に、血液検査、尿検査、超音波エコーによって子宮および卵巣の様子を確かめる方法、子宮専用の内視鏡を使って内壁の状況を確かめる子宮鏡検査などが行われる。

なお、漢方医の場合は、体質(証)を確かめるために舌の表面の色および、厚み、舌苔の出方等を見る舌診、手首の脈を取る脈診等が採用されることがある。

性器のうっ血(東洋ではお血、血お)を取り、子宮内膜症ではしばしば出現する下腹部痛や乳房の張りと言った周辺症状の緩和のために、鍼灸、整体およびカイロプラティック、ハーブティの飲用や精油の芳香成分の取り込みを行うアロマテラピー等が補助として取り入れられることもあるようだ。

特に感染症の場合は空気清浄作用があるユーカリプタスなどが用いられると言われている。他の民間療法としては、植物から抽出したエキスを利用するフラワーレメディなども女性特有の問題を解決するために有用だと言われている。

不正出血と低用量ピル

ピルpillとは本来、薬剤の有効成分にでんぷんや味を改善するための糖を加えて固めた錠剤を示す単語である。

しかし、現在では本来の語意ではなく、公の場では声に出すことが躊躇われる経口避妊薬の呼称の言い換えとして用いられるようになっている。

通常は特に定冠詞を置いて「the pill」と綴る。本来は人為的に卵胞ホルモンと黄体ホルモンを補い、排卵を抑制し、妊娠できない状態を作り出すために開発された薬である。

しかし、排卵をしないと言うことは子宮内膜が肥大せず、月経が起こらないと言うことほぼ同義であるため、月経前緊張症候群およびその患者の中でも5~8パーセントの人が呈する特に精神症状が酷いPMDD、激しい月経痛が起こる月経困難症子宮内膜症子宮筋腫の症状悪化の予防のために処方されることがある。

ピルは女性ホルモンの含有量によって、高、中、低の3種に分かれるが、血栓やめまい吐き気などの副作用のリスクがあるため、我が国では低用量ピル以外は薬事法によって認可されていない。

子宮内膜症、子宮筋腫(但し重度)は不正出血を引き起こす疾患の中でも特に有名な物であるが、皮肉なことにこれらの疾患を治療するための低用量ピルが不正出血を引き起こすこともある。

服用し始めは突如増えた女性ホルモンに身体が対応しきれないので、様々なトラブルが起きやすいようだ。

多くの場合、数か月でピルの副作用による不正出血はおさまるとされているが、それによって精神的、身体的に辛い状態に追い込まれるようであれば、主治医と相談し、他の治療法がないか模索する必要がある。

どんな薬でも自己判断による服用中止は危険なので、突然病院に通うのを止めたりしないでほしい。

不正出血と漢方薬

漢方の考え方では、不正出血は体が出血を止める力が無くなることによって起きるとされている。

大まかに分けると、消化器官が冷えて力(気)を失い、それまで抑えていた子宮内膜の剥離を抑えられなくなる不統出血と、感染症や腫瘍性の疾患によって体内に熱(血熱)がこもり、それを逃がすために出血する2パターンが考えられる。

東洋医学では足りないものは補い、余りすぎているのを取ると言う数学にも似た治療法の決定の仕方をするため、眼に見える病巣がない不調にも対応しやすい。

漢方薬は、子宮内膜症、子宮筋腫などの器質性の疾患や、冷え、栄養不良などによって起きるホルモンバランスの崩れによる不正出血の治療によく用いられる。

西洋薬よりも効果が出るのに時間がかかること、人によっては味を受け付けられないものがあることや、若干薬価が高くなると言った難点も抱えているが、不正出血のケアと一緒に神経の乱調による肌、体重等美容面のトラブルもケアできると言われており、不正出血を根気よく直したい人に人気のある治療の選択肢である。

漢方薬は医師の処方薬の他、市販の製品、調剤の資格を持った漢方専門の薬剤師の作る薬として入手できる。

漢方薬を購入する際には同じ症状が出ていても、原因はその人によって異なり、誰かに効果のあった薬が他の人にも合うものとは限らないことを了承してほしい。

また、よく漢方薬は副作用がないと言うデマが流れるが、作用が比較的穏やかだと言うだけで、胃腸障害、肝障害(甘草等の長期使用でまれに起る)等の副作用の例も報告されている。

服用の前には自分の飲む薬と体質をよく確認するようにしていただきたい。

月経の記録をつけよう

女性の身体の不調は記録をつけることによって起きる時期、起きやすい環境を事前に知り、対処することができるといわれている。

基礎体温や帯下量の変化などは婦人科医が患者の身体の奥底に隠れている疾患を見つける大きな手がかりになる。

基礎体温表は、各生理用品メーカーや婦人科医の公式ホームページ等から簡単にダウンロードし、印刷できる。

ダイエットの記録を一緒につけられるものや、可愛いキャラクターが描かれているものなどさまざまな種類があるので好みに合わせて選んでいただきたい。

また、携帯電話や、スマートフォンの無料、もしくはアプリケーションによる月経管理は操作法が分かりやすく、入力できる情報量も多いので、書き込みたい情報の量が多い人にはお勧めだ。

不正出血に併せてイライラ、気分の落ち込み、周囲への暴言等精神症状いわゆる血の道症の症状が強く表れている人は日記も一緒に書くことをお勧めする。

この日記には、体調、その日したこと、その日食べたもの等極々一般的な日誌としての内容のほか、体温、血圧、脈拍などのバイタル値、受診時の医師との会話、薬の処方内容と実際に飲んでみた時の様子も記入するとよい。

また、新しい生理用品を使い始めた時には、価格、使った後の肌の状態や、経血の漏れがあるか無いか、経血量の変化等を詳細に記録しておくと、次の生理の時に参考になる。

体質の似ることが多い親族で不正出血の治療の記録をつけている人がいる場合は事情を話して見せてもらい、自分の記録と比較してみると対処法が分かりやすいようだ。

-不正出血