不正出血

不正出血の乗り切り方

不正出血を気にし過ぎは禁物

女性器からの出血は、生理期に起きるもの以外はすべて病的なものだと思われがちである。

しかし、経血のもととなる子宮内膜は比較的剥離しやすいため排卵期前後にホルモンバランスが崩れると出血してしまう女性も多い。

出血が1回限りで痛みもなく数日でやむ程度ならばおりものシート等で対応し、暫く様子を見ても差し支えないそうだ。

ただし、量が多く血塊がある、もしくは逆に粘度が薄すぎて出血が止まらないと言う場合は何らかの異常が起きていると思われるので病院を受診してほしい。

女性器周辺からの出血でよく有るケースのひとつに性行為後の出血がある。

突内壁に傷をつけてしまうために起ると言われており、多くの場合はすぐに出血が止む。

これは接触出血と呼ばれる物で、膣炎等によって膣内壁の粘膜が脆くなっていることなどが考えられると言われている。

ただし、膣がもともと狭い人や精神的なストレスで体が緊張している状況にある人などは病気がなくとも出血することがある。

強い性交痛がある場合は婦人科の医師に相談してほしい。潤滑剤の処方をしてくれることがある。男性側も体調が悪い相手に無理強いをしない等の配慮をしたい。

性行為後の出血と言えば処女膜の破瓜によるもの(これも広義の不正出血)が想起されるかもしれないが、処女膜は多くの人が想像するような鼓膜のように薄い膜ではなく、膣の入り口についた輪っか状の襞のことである。

人によって形状が違い、完全に閉じている場合は生理時に血液が体外に出ず子宮内に溜まってしまい激しい痛みの原因になることもあるため切開することもあるようだ。

出血がないのもまた、大変なことなのである。

不正出血のケア間違ってない?

女性の身体に月経による出血が起きるのはおおよそ1週間ほど(個人差有)のことである。

しかし、この1週間とその前後の過ごし方によって女性の健康は保たれたり損なわれたりしてしまう。

わたしたちが日常的にしてしまいがちな間違ったケアが不正出血その他の症状を重くしてしまう可能性がある

生理期には、生理用ナプキン(一般に売られているもののほかに布のものもある)タンポン、おりものシートなどを使ってケアをする人が殆どだろう。

しかし、読者諸姉はこれらはどんなシーンで使えばよいのか説明できるだろうか。

サニタリーケア用品の中でも生理用ナプキンとおりものシートは比較的フラットな形状をしており、下着につけて装着するタイプの製品である。

経血量にあわせて使用する製品の吸水性や形状を選べると言う利点があるがずれ、サイド漏れ、動きでウィングなどが鼠蹊部に擦れてかぶれる等の問題が起きることがある。

特に激しく動くスポーツ時や長時間椅子に座らないといけない時にはあまり向かない。

タンポンは、膣内に吸水性の良い綿の塊を入れて出血を抑える製品で、入浴や水泳の時でも使えると言う利点がある。

ただし、少し挿入が難しいことや市販されている種類が少ないことが難点だ。経血が少ない乾燥した状態で挿入してしまうと、膣内壁に傷をつけそこから感染症、内壁の脆弱化を招き、不正出血に繋がってしまうことがある。

出血量が少ない時には用いないと言う注意点は高吸収型の生理用ナプキンも同様であり、普段の帯下や少量出血には肌への刺激が少ないおりものシートを用いて頂きたい。

厳禁、冷えとストレスと不正出血

平熱を持ち、常に体内に温かい血液が循環している恒温動物である私達にとって、冷えは最大の敵である。

身体が冷えると血管が収縮し、全身に血液がいきわたらなくなる。

必要な酸素と栄養が十分に回らないと判じた体は、今現在生存に必要不可欠ではない部位に回る血液量を減らし、心臓、脳、肝腎等重要な臓器を守ろうとし始める。

生殖器官は手足などと並んで切り捨てられる部位の筆頭だ。

子宮内膜は体が蓄えた栄養でできているため冷えると十分に肥大せず途中で剥がれ落ちてしまう不正出血が起こりやすくなると言われている。

若年者の冷えは卵巣や子宮の成長に大きな害悪をもたらし、後々強い月経痛や無月経等の異常を招くことがあるので
学校及び思春期の少女がいる家庭では冷暖房を調節(ベッドと机には風が直接当たらないように送風口の角度を変える)し、夏冬の外出の際には上着を持たせる等の配慮をすることが必要だ。

不正出血がある人の天敵は冷えだけではない。

ストレスもまたホルモンバランスをみだし月経異常の症状を悪化させる要因だ。

冷えとストレスは同時に発生し互いに強め合う相補の関係にある。

ストレスによって体が常時緊張した状態にあると、血の巡りが悪くなるため手や足が冷たくなる。

身体が冷えると内臓や脳の機能が低下して、無気力や集中力の欠如、イライラなどが生じる。

この状態になるとだるいから動かなくなってしまう人が多いが、動かないと筋肉が熱を生産してくれないからまた冷え、体の緊張がさらに酷くなると言う悪循環が起きる。

月経痛との付き合い方

月経痛は人によって痛みの強さが違い、同じ女性にも中々分かってもらえない辛い症状である。

不正出血がある人の中でも子宮内膜症の患者はしばしば強い月経痛を起こすことがあり、痛みのあまりに嘔吐してしまう人もいる。

あまりに痛みが強く生活がまともにできない(月経困難症)場合は婦人科を受診することが先決だが、当座、月経痛を和らげるための対処法をいくつかご紹介しておく。

月経痛を抑えるためには一般的に鎮痛薬を用いる。月経痛と関連して起る頭痛に対応し、胃腸症状等の副作用を軽減した女性向けの製品も発売されている。

鎮痛薬は、箱に記載された用法、用量を守り、記載されている期限内に使い切る。

温熱療法もしばしば止痛の役に立つことがある。

出血がある状態では入浴は難しいが、炎症性の疾患がないとわかっている場合桶に湯を張って足首をつける足湯を行うとよいそうだ。

温浴効果を高めるには、塩、乾燥させたヨモギやサフラン(抽出液をお茶として飲むこともできる)などの薬草、アロマテラピーに用いる精油などを併用するとよい。

アロマテラピーの世界で婦人科疾患に特によく使われる精油にはローズゼラニウム、ローズ、ネロリなどがある。

コーヒーや、紅茶等カフェインを多く含む飲料、または辛い物が好きな女性も多いと思うが、これらは刺激が強く痛みを強くしてしまうことがあるので、月経前後は控えた方が良い。特に緑茶とコーヒーは体を冷やす作用が強いので気をつけよう。

温かいルイボス(赤い色は鉄分)、蜂蜜を溶かした白湯、ほうじ茶、昆布茶(鉄とミネラルが豊富でむくみを軽減すると言われている)黒豆茶(鉄が豊富)などは胃腸に負担をかけずにいつでも飲めるので、ブルーデイの水分摂取気分転換にどうぞ。

貧血の対処法

新約聖書の『マタイ伝』『マルコ伝』『ルカ伝』には出血が12年間続く女がイエスの服に触れた瞬間に出血が止まったと言う治癒物語がある。

古い訳では「長血」と表記されるが、これはおりものに血が断続的に混じる赤帯下と呼ばれる疾患だろうと言うのが研究者間の定説となっている。

流石に医学の発展した現代では12年間も続くことはまずないが、不正出血の症状が頻発し、長期にわたって続く状態になると、深刻な鉄欠乏性貧血が引き起こされることがあると言われている。

鉄欠乏性貧血の症状としては、顔色不良、だるい、頭痛がする、気力がわかない、溜息が増えた、朝体を起こせない、髪の毛が抜ける爪に線条が入って割れる、肌が乾燥して傷つきやすくなる、何故か急に風邪をひきやすくなったと言ったものがよく報告される。

貧血と言うと、何らかのきっかけで気が遠くなりぱたんと倒れる現象を思い浮かべる人も多いと思うが、それは脳貧血と呼ばれる現象だ。

鉄欠乏性貧血は徐々に進み慢性化することが多い疾患だと言われている。

不正出血による鉄欠乏性貧血を防ぐためには、医療機関を受診して出血を止めることが最優先事項だが、当事者もいくつか気を付けるべきことがある。

まずは禁煙をすること。煙草に含まれる成分は体が鉄を吸収するのを邪魔してしまい症状の悪化につながる。

次に、人ごみ等に行く際には必ずマスクを携行し、風邪などをもらわないようにすることである。

貧血の状態になると、菌を退治する白血球の働きが鈍くなるので普段は軽症で済む感染症の症状も重く治りにくくなると言われている。

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