卵巣がん(らんそうがん)
卵巣にできるがんです。卵巣腫瘍のうちで、悪性のものをいいます。
一般的には、40代以降になりやすいがんですが、なかには10代に起こりやすい種類もあります。
原因は不明ですが、排卵時に卵巣が傷つき、その傷からがん化すると考えられています。
晩婚化や少産化で一生のうちの排卵回数が増えていることが卵巣がんの増加に影響しています。
また、食生活の欧米化で動物性脂肪やタンパク質の摂取が増えたことも関係しているといわれています。
卵巣がんは「サイレントキャンサー(沈黙のがん)」といわれるように、初期は自覚症状がなく、こぶし大以上になると腹部が膨満する、下腹部が重いなどの症状があらわれてきます。
それ以上になると、かなり増大が早くなります。
検診は、初期は自覚症状がまったくないため、がんが小さいうちに発見するには、超音波検査で卵巣がんの検査をすることがとても大切です。
子宮がん検診のときに合わせて、超音波で卵巣がんの検査も受けるといいでしょう。
治療としては、がんの進行具合と妊娠を希望するかどうかで治療法が異なりす。
寛妊娠の希望や可能性がある場合は、腫瘍がある側の卵巣・卵管を切除する手術が選択されます。
手術後に抗がん剤で治療します。
また、先に抗がん剤で腫瘍を小さくしてから、手術が行われることもあります。
卵巣は左右2つありますので、ひとつ取り除いても、もう片方が残っていれば妊娠が可能です。
卵巣を片方だけでも残せば妊娠能力は残されます。
医師から「卵巣の切除が必要」といわれたときは、あわてず、よく話を聞きましょう。
別の医師にも第二の意見を聞くことも可能です。
なによりも大切なのは、まず自分のからだですから、疑問や希望があるときは、遠慮なく伝えましょう。
卵巣がんは抗がん剤が効きますが、再発することもあります。
手術で腫瘍を取り去ったとしても治療後再発することもありますので、治療後の定期検診は欠かさないようにしましょう。