
冷え、冷え性を生む日常生活の習慣
面倒くさいから、便科だから、とやっている日常習慣が「冷えの元」だったり、食生活の嗜好がからだを強力に冷やしでしまづているという例がたくさんあります。
その事例から、どんなことが「冷える」のか知ること。
知っているだけでおのずと自制心が生まれるものですし、それに対策を講じることができるからです。
現実をしっかり見つめましょう。
目次
冷房つけっぱなし
みなさんは夏場、どれぐらいの冷房にあたってきましたか?
一日中つけっぱなしの人もいただろうし、職場の冷房がきついから自宅では使わなかったという人もいるでしょう。
でも、現代社会で冷房なしに生きていくことはまず不可能ですよね。
なにも冷房がすべて悪、とは言いません。
一日の間にためてしまった冷えをその日のうちに解消する生活さえしていれば問題はないし、快適な温度のほうが仕事ははかどるでしょう。
怖いのはあなたが夏にあたった冷房が「冷え貯金」となってからだに残っている可能性がある、ということです。
冷房にあたりすぎると、間違いなく「内臓温度」は低下します。
それに気づかずに秋を迎えると、ジワジワと冷えが進行してきます。
「基礎代謝」が落ちて体重が増える、汗をかきにくいので肌もくすむ、脚もむくむでしょう。
さらに恐ろしいのは「冷房病」。
子供から老人まで毎年多くの人が冷房病に悩み、中にはそれが原因で仕事が続けられなくなるほどの人もいる、現代病のひとつです。
元来、人間の体温は常に一定に保たれるようにできています。
その大きな役目を背負っているのが「発汗」。
たとえば暑い屋外にいたり、激しい運動をしたりしても、汗をかくことで体温の調節ができます。
汗が蒸発するときに肌の熱を奪うので体温を下げてくれるのです。
最近見直されている「打ち水」の原理と一緒ですね。
しかし、一日中冷房の利いた場所にいるとあまり汗をかかないですよね。
それどころか冷房が利きすぎてからだの体温を逃がさないために、血流量が減ります。
さらに汗をかく「汗腺」も収縮して熱を体内に留めようとします。そんな状態で今度は外へ出たとしましょう。
急激に気温が上がるので、汗を出そうと「汗腺」はフル活動、血管も拡張して熱を発散させようとやっきになります。
こんなことが一日の間に何度もあると「自律神経」が乱れ、さまざまな不調が現れるのです。
症状としては「めまい」「ふらつき」「貧血」など、主に血流に関係するものが多くみられます。
また、だるさや気分が滅入るといった、精神的な症状も見受けられます。
夏の間にため込んでしまった「冷え貯金」は、気温の下がる秋口からジワジワと表へ出てきます。
それでも気づかないまま冬を迎えたら、今度は決定的な「冷え」の症状に悩まされるのは間違いありません。
もし心当たりがあったら、早めに対策をたてましょう!
お風呂は、からだを洗うシャワーだけ
昔に比べてお風呂につかる習慣のない人が増えてきました。
ユニットバスなどの環境のせいもあるかもしれませんが、多くは「お風呂はからだがキレイになればいい」という考え方からくるのではないでしょうか。
寒い冬はもちろん、夏でも冷房でからだは冷えています。
シャワーだけだとからだはあたたまりません。
入浴は一日の疲れを取るとともに、からだの「自律神経」を整える働きがあります。
たとえば冷房で冷え切ったからだをあたため、「発汗」することで「汗腺」を調整します。
また、心地よいお湯につかれば「副交感神経」を優位にして、ぐっすり眠れます。
入浴という行為はからだの汚れを落とす以外にも素晴らしい効果があるものなのです。
ところが、からだを洗うだけのシャワー入浴しかしていないと、その日の「冷え」を取ることがないまま次の日を迎えます。
それが積み重なると「冷え貯金」がたまっていき、「冷え体質」になるのです。
シャワーにも効果的な方法というものがあります。
朝のシャワーは「交感神経」を高め、一日を活動的に送る準備をしてくれます。
また、足先への温冷シャワーは毛細血管の流れを活発にし、「冷え」を解消してくれます。
とはいっても入浴をまったくしないのは困りもの。
せめて週に一回はゆっくりお湯につかって、からだの「冷え」をリセットしたいものです。
アイスドリンク大好き
ここ数年おしゃれなコーヒーショップが増え、コーヒー飲料の種類もずいぶんバラエティに富んだものになりました。
マイルドな口当たりのカフェラテが好き、という女性も多いと思います。
しかし残念ながら「冷え」の観点からいうと、アイスラテは超NGな飲みものなのです。
まず冷たい時点でダメ。
そしてコーヒー、牛乳はともにからだを冷やす作用があるので、ダメ。
さらに冷たい飲料はあたたかい飲料よりもたくさん飲めてしまうので水分量が多くなるのでダメ。
なんとダメが4つもついてしまうのです。
コーヒーや牛乳は統計的にからだを冷やすということが分かっています。
よく「秋茄子は嫁に食わすな」などといわれるように、食べものや飲みものにはからだを冷やすものがあります。
茄子やキュウリなどの夏野菜や南方系の食べものはからだを冷やし、根菜などはからだをあたためると言われています。
飲みものではコーヒー以外にも緑茶がからだを冷やし、紅茶、ほうじ茶がからだをあたためます。
カフェラテを嗜好品として飲むのはかまいませんが、冷えたくないなら飲み方に気をつけてほしいものです。
アイスクリームが大好き
アイスラテがダメならアイスクリームなんてもっとダメ、と思った人は正解です。
でも乳製品で冷たいから、ということだけが理由だと思ったら花マルはあげられません。
アイスがからだを冷やす大きな理由は「糖分」なのです。
甘いものがからだを冷やすということを聞いたことかありませんか?
それは糖分を摂りすぎると、血液中に「血糖」や「中性脂肪」が増えてしまってドロドロ血になり、血行が悪くなるからです。
だから高脂肪の濃厚なアイスクリームはもちろん、ソーダバーのような水っぽいものもNGなのです。
甘いものはスイーツだけに限りません。ジュースやフルーツもからだを冷やしやすい食物です。
特にジュースや清涼飲料水には500ミリリットルのペットボトルー本にスティック砂糖12~20本分もの糖分が入っているものもあるのです!
通常だったら絶対に食べられない量の砂糖でも水に溶けてしまうと簡単に飲めてしまう、考えただけで恐ろしいですね。
果汁100%のジュースだとしても「果糖」が含まれているので、甘い味がするかぎり同様の弊害があります。
人間が「美味しい」と感じるもののほとんどは「甘さ」があると言われています。
だから多くの女性が「甘いもの中毒」になってしまい、知らず知らずのうちにからだを冷やしているのです。
とは言っても甘いものをまったく食べるなというわけではありません。
フルーツにはビタミンがたくさん含まれていますし、なにょりも「美味しい」と思うものをがまんする必要はないのですo
冷たいアイスを食べたら、その後冷やさないようにするなど工夫をして「冷え貯金」を作らないよう、甘いものとぅまくやっていくことが大切です。
肉食中心の食生活
肉はカロリーが高いからダイエットのときはガマンというのは常識ですが、からだはあたたまりそうですよね?
焼き肉を食べると暑くなるし。
ところが、肉の摂りすぎもからだを冷やすって知っていましたか?
実は鳥や豚ヽ牛の体温は39~40℃と、人間よりもずいぶん高いのです。
その動物の脂肪を平均体温が36.5℃の人間が食べると、血液中の「赤血球」に脂肪がくっつき、血がドロドロになってしまうのです。
ラードをイメージすると分かりやすいのですが、あれは常温では固形ですし、人間の体内にあっても完全には溶けきらないのです。
もともと「赤血球」というものは「毛細血管」よりも大きいもので、それが変形しながら細い血管の中を流れているのです。
ところが動物の脂肪によって「赤血球」同士がくっついてしまうと自由に変形できなくなって、血液がトロトロ状態になってしまうのです。
ドロドロ血になると当然血行は悪くなるので、結果的に冷えてしまうというわけです。
また、脂肪の摂りすぎは「セルライト」の元にもなるので、その点も注意しなくてはなりません。
「セルライト」は過剰に蓄積された脂肪に水分や老廃物が付着したものです。
元になる脂肪が多ければ多いほど「セルライト」もできやすいということです。
さらに三十代になると、脂肪を分解する能力自体がグッと低下してしまうので、歳とともに徐々に減らしていくほうが、いつまでも若くいられるのです。
ブーツでおしやれ
冬はもちろん、最近では季節を問わずに見られるブーツのおしゃれ。
冬は風も防げるしあたたかさ抜群!と思っている人が大半じゃないでしょうか。
でもブーツつて、脚がむくみませんか?
夕方にはファスナーが上がらなくなっていた、という話もよく聞きます。
ブーツがむくみを起こす最大ポイントは足首と足指を固定すること。
特に先のとがったブーツだと足先まで血液が行かず、冷える原因に。
さらに足首を固定することで足首の曲げ伸ばし(底背屈運動といいます)ができなくなります。
これが長く続くと足首が硬くなり、足先の循環が非常に悪くなってしまい、むくむのです。
同じ姿勢をしているとむくむという話をしましたが、ブーツはまさにギプスのように脚をがっちりと固定し、強制的に同じ姿勢にしているようなもの。
むくみは「冷え」につながります。
だからブーツばかりはいていると、あたたかいどころか「冷え体質」になってしまいます。
「底背屈運動」ができなくなるという点ではミュールも一緒。
だから夏場はミュール、冬になったらブーツというようなファッションの人は、脚を投げ出して座った姿勢で自分の足先が九十度上を向くぐらい、足首を曲げられるかどうかチェックしてください。
これができないと、関節が硬くなっている証拠です。
ということは冷えている可能性も大!
まずはブーツをはいた日はお家で足首のストレッチをして、ガチガチになった関節をほぐしてあげることから始めましょう。
そして「冷え」対策を始めることをおすすめします。
パソコン&携帯電話に依存
電車の中の光景もずいぶん様変わりしました。
多くの人が携帯電話を持ってメールやゲームをし、座席に座って小さなパソコンに向かう人も見かけます。
今やパソコンなしの仕事は珍しいし、常に携帯電話を手放さない人が大半だと思います。
みなさんも「電磁波」という言葉は聞いたことがありますよね。
では「電磁波」がからだを冷やすということは知っていますか?
そうなんです、「電磁波」には「自律神経」を狂わせる作用があって、直接的ではないものの「冷え」の原因のひとつになっているのです。
「電磁波」が人体に与える影響というのはまだ完全に解明されていないのですが、からだに何かしらの影響を与えているという実例はたくさんあります。
たとえば飛行機や病院では必ず電源をオフにしますよね。
あんなに小さいものが大きな飛行機を狂わせるほどの力を持っているというのに、人間のからだに何の影響もないなんて考えられないと思いませんか。
パソコン、携帯電話だけではありません。真冬になにげなく使っているホットカーペットや電気毛布からも「電磁波」が出ています。
通勤時は携帯を離さず、仕事ではパソコンの前に座りっぱなし、帰ったらホットカーペットでくつろぎ、寝るときは電気毛布、なんていう「電磁波」まみれの生活を送っていると、からだはどんどんむしばまれていってしまいます。
デニムはもちろんローライズ
これだけ「内臓温度の低下」と言っていれば、腰ばきパンツ、いわゆる「ローライズ」がダメなのは言うまでもないでしょう。
ウエスト部分を露出したファッションはお腹をてきめんに冷やします。
お腹が冷えると全身の血が内臓をあたためるために集まってくるので、下腹部が「うっ血」してしまいます。
その上露出されていると、そこから体温をどんどん放熱してしまうので、全身に「冷え」がまわるのです。
だからといって「ローライズ」のほうがカッコイイのに、無理して他のパンツをはくのはおかしいですよね。
そんなときはなるべく冷えないよう、こっそり腹巻きをしたり、長めのインナーを着るなどの工夫をしましょう。
そして帰宅後はしっかりお腹をあたためて、「冷え」をとってから寝るというのが最善の方法なのではないでしょうか。
ストツキングの上から靴下の重ねばき
冬場のブーツスタイルにありかちなストッキング&靴下の重ねばき。
これには悪いことがふたつあります。
ひとつは締めつけ。
ストッキングの上から靴下をはくと締めつけ度がアップしますよね。
これが血行を邪魔して足先を冷やします。
さらにブーツなんてはいたら足首まで固定されて足先を殺そうとするようなものです。
ふたつ目は素材による「静電気」の問題です。
化繊でできているストッキングと靴下の間で摩擦が起きると「静電気」が発生します。
「静電気」の起きやすい服装でヒールの高い靴をはいていると、電圧が上がりやすく、地面への放電も少ないので、ひどいときでは一万ボルトも帯電していることがあります。
「静電気」も「電磁波」同様、「自律神経」に悪影響を与えるもので、帯電すると血管を収縮しやすいため、冷えを感じるのです。
その場ではあたたかいかもしれませんが、それはコツコッと「冷え貯金」をためてぃる行動なのです。
寝るときは上下フリース
もうすっかり定番素材となったフリース。
価格も手ごろであたたかいのでパジャマとして着ている人はかなりいるのではないでしょうか。
化繊は「静電気」を起こしやすい素材です。
寝るときにフリースを上下で着て、アクリル毛布にくるまるとします。
寝返りなどでふたつが摩擦を起こし、寝ている間も「静電気」が発生し、からだに長時間の帯電が起こります。
すると起床したときにだるかったり、よく眠れなかったというような気がするのです。
気になるのはこのことを知らずにいる人がほとんどなので、「なんとなくだるい」「原因不明の体調不良」などと思ってしまいがちなこと。
起きて活動しているときにも同じことが言えます。
ニットの上にフリースを羽織って、知らないうちに「静電気」を帯びて便秘や肩こりになることもあります。
さらにヒールの高い靴をはくと、日常的にかなりの量の電気を帯電することになって「自律神経の乱れ」が起こってしまうのです。
この通り、着ているものの素材ひとつで「冷え」を助長するなんて本当に驚きですよね!
キンキンに冷えたビール
夏はビアガーデンで、冬はお鍋とともにダーツと飲み干すビール、出てきたジョッキが凍っていたら最高!と思う気持ちは分かります。
でもからだにとっては最低!
そう、ビールが良くない最大の理由は冷やしすぎです。
たとえば、冷えた清涼飲料水に氷を入れたり、ビールのジョッキを凍らせたりして飲むと「内臓温度」は一気に4℃近く低下します。
アイスグリーームも同様。
正常な人はこのような現象が起きても、「内臓温度」はすぐに元に戻りますが、長く続くとなかなか元に戻らなくなってきます。
これが「内臓温度の低下」にっながるのです。
現在みなさんが使っている冷蔵庫は、約4℃まで冷やす能力があるものがほとんどです。
4℃の外気温だったらかなり寒いでしょう、それなのにさらにジョッキを凍らせる必要がどこにあるのか。
そこには「冷たいものはクセになる」という事実があるからです。
現代人は冷たいものはより冷たくすると美味しく感じますし、常に冷たいものを欲しがるようにもなっています。
真冬でもコンビニなどでお店の真ん中にあるアイスクリームが飛ぶように売れているということもありますね。
それはなぜか。刺激を求めるからです。
最近では禁煙する人も増えてぃますが、そういう人たちに、口寂しいからいつも氷をなめているという人もいるのです。
「世の中が平和だと辛いものが流行る」と言われてぃるのは、刺激を求めるという意味合いが強いのではと思うのですが、「冷たい」ということはからだにとって刺激なのです。
刺激は中毒性を持ってぃますから、一度凍ったビールを飲むとその刺激を追い求めてしまうのです。
これを「冷たいもの中毒」と言い、「冷え」の大きな原因のひとつとなっています。
また、ビールは多量に飲めてしまうことも問題です。
水では考えられないような量、一時間に1リットルぐらい平気で飲んでしまう人もいるのではないでしょうか。
するとからだは急激に冷やされ、強い「冷え」を感じるのです。
さらにビールは一緒に食べるおつまみも脂っこいものが多いので、「冷え」の相乗効果を生んでいる可能性もあります。
喫煙者
喫煙がからだに良くないのは箱を見れば書いてあるので、喫煙者はもう聞きたくない!と思うでしょう。
それでも吸い続けるかどぅかは本人次第ですが、ここではタバコと「冷え」の関係について述べたいと思います。
タバコがからだを冷やすのは「ニコチン」の作用で血管を収縮させるからです。
「ニコチン」の「血管収縮作用」というのは、急激に吸収されるときに特に強く作用する性質があって、タバコを吸うという行為はまさにそれ。
血管が収縮すると、美容的には肌っやが悪くなる、シミ、シワ、あるいは歯茎の色が悪くなったりもします。
それ以上に「肺ガン」や「動脈硬化」なども喫煙の害として有名ですが、これも突き詰めればすべて「血行不良」にょって起こるものです。人間が生きているということは血液が全身を巡っているということです。
それを阻害する因子というものはすべて健康に悪い。
もし、タバコが血管収縮を起こさないものだったとしたら、ここまで悪く言われなかったのではないでしょうか。