更年期 症状

更年期障害は婦人科で検査・治療できます

更年期障害は必ず治る。悩みは症状を悪化させる

更年期障害は、長い間、血の病とか血の道症などと言われ、その原因がわからぬままに忌み嫌われ、タブー視されてきましたが、今では堂々と第一線にクローズアップされています。

しかも、医学および医療技術が急速に進歩し、更年期障害の原因、また、その治療法も明らかにされてきた今日でさえ、更年期に現れる諸症状を、しかたのないこととあきらめ、ひとりで密かに悩み、苦しんでいる女性が多いのです。

何かのきっかけで、人の話を聞き、思いきって病院へ行ってみたら、適当な治療によりあっけなく症状がとれ、「こんなことなら、もっと早く病院で診てもらえばよかった」という人もたくさんいます。

こんなに簡単に治る方法もあるのに、不快な症状に悩まされながら、婦人科に訪れることを避け、症状をこじらせて見当違いな病院へ通いつめたり、精神的にうつ病に移行してしまったりする女性が多いのはどういうわけでしょうか。

これには、2つのタイプの女性が考えられます。

その1つは、女性の心理として、自分か更年期であるということを頑として認めようとしない人です。

そういう人は、婦人科で老化という烙印を押されることを拒否し、何とか、他の方法で解決しようと試みます。

マッサージが有効と聞けばマッサージを、漢方薬が良いと聞けば漢方薬を、といった具合に、あらゆる方法を根気よく試みるのです。

しかし、どんな方法も、一時的な、あるいは局部的な効果は得られるとしても、ホルモン分泌のアンバランスをとり戻すという、根本的な治療をしない限り、良くなるものではありません。

もう1つのタイプは、「わざわざ病院へ行かなくても、時期がくれば治る」と、じっとがまんにがまんを重ねるか、半ばあきらめてしまう人です。また「私は年並みの老化で結構」とひらきなおる人です。

ひとりで思い悩み、孤独感におちいることは、更年期の症状を最悪にすることになります。

ただでさえ、孤独におちいりやすいという心理的な悪条件の上に、更年期のホルモン失調は、女性の、喜怒哀楽の感情がはげしくなり、脱力が強くなってやる気が次第におとろえてきます。

更年期障害には、その人その人によって妥当な治療法があります。迷わずその恩恵を受けてください。ほとんどの人が、気づかないで、あるいは症状に悩まされないで更年期を迎え、過ごすことができます。

更年期症状の冷え症はホルモン療法で治る

女性の訴えで、「私は冷え症です」という人は非常に多いのです。

中には厚手のパンティをはいて、さらにカイロを貼りめぐらせている人もいます。

冷え症というのは、からだの特定の部分だけに、独特の不快な冷たさを感ずることで、たとえば腰の冷えの場合、奥深いところで終始嫌な冷たさを感じ、からだの芯まで響くような不快ささえ感ずるものです。

冷え症の最も多い部位は、腰と足ですが、下腹部や手の場合もあります。

もう1つの特徴は、冷えを感ずるのは寒い時だけではなく、暖かい季節でも、夏にさえも悩まされます。

もちろん比較すれば夏よりも冬に多いには違いないのですが、冷房が完備している現在、夏でも冷房病として冷え症が多くなっています。

女性の大半が多かれ少なかれ冷え症を訴え、特に中年過ぎの女性では、必ずと言っていい程冷え症ということばが聞かれます。

その原因をひと口で言えば「血液の循環が悪くなる」からです。

更年期のホルモン失調にともなって、自律神経の働きが不安定になると、この自律神経によって作用をうけている血管運動が障害を受けて、血液循環が悪くなるのです。

更年期症状の1つとしての冷え症は、大部分がこのように自律神経失調症です。

この時期の冷え症の大部分は、ごくわずかのホルモン療法で、自律神経を安定させることによって、簡単に治ってしまうものなのです。

苦しい思いをして、厚着をしたり、カイロを貼る必要はなくなるでしょう。

以上のように、自律神経の失調からくる冷え症なら問題はないのですが、精神的な原因で起こるものもあります。

冷たいと訴える部位が、やたらと多かったり、さわってみて暖かい部分でも、「冷たい、冷たい」と言って大げさなことを言ったりする人たちは、たいてい精神的なものが原因です。

「気にしない」という強い意志をもって、これを克服するか、精神科の医師に相談する必要があります。

頻尿、尿漏れの悩みは、ホルモン療法で簡単に解消する

「お手洗いが近くなって困っています」
「冷え症なので、温かくしているのですが、お手洗いに行っても、すぐにまた行きたくなったりするのです」

四十歳過ぎた年代の女性で、尿の出る回数が多いという訴えが、しばしばあります。

また、時々排尿の最後に、ひりひりした痛みを感じるという人もいれば、中でも一番悲しそうに訴えてくるのは、まだ老年には間のありそうな人が、「近頃、知らぬ間に尿をもらしていることがあるのです」と、恥ずかしそうに訴えてきます。

このような訴えで来院する女性に、共通して言えるのは、普段から下腹部が重苦しく、いつも何かが下がっていくような感じがしていたということです。

これは、卵巣ホルモンのエストロゲンが不足してきたことが1つの原因になっています。

卵巣機能が次第に弱くなるにつれ、エストロゲンの分泌が少なくなってくると、そのエストロゲンの作用によって緊張を保っていた膀胱や、膀胱括約筋がゆるんできます。

そのため、尿が膀胱にたまりきらず、何回でも出るようになったり、無意識のうちに尿が漏れてしまったりする例は案外多いのですが、まるで自分ひとりがそんな症状におそわれていると悩み、恥ずかしいからといって、誰にも相談できないでいるようです。

これらの諸症状は、適当なホルモン療法でわけなく治ってしまいますから、迷わずに専門医を訪ねればよいのです。

またこの時期特有のホルモン失調以外に、泌尿器症状を起こす原因として、妊娠・分娩(出産)との関係が考えられます。

胎児が大き過ぎたり、難産で鉗子を使って出産した場合や、何人も子どもを産んだ場合など、腔壁がたるんでしまい、そこに膀胱が下垂してきます。そのため尿道の緊張が弱くなり、尿が漏れたり排尿回数が多くなったりします。

このような人は、腔の入り口がゆるんで、しまりがなく、子宮も下がってきている場合も多いのです。

これでは性生活の面でも、当然具合が悪いのですが、整形を希望して来院する人は、意外に少ないのです。

腔整形術で快適な性生活が約束されるのに、やはり恥ずかしいのでしょうか・・・。

人間として最も円熟しなければならないはずの時期を、暗く陰惨にしてしまうのは、「もう治らない」「恥ずかしいから」「しかたがない」というあきらめです。

あきらめないでください。

膣や膀胱の変化はひとりで悩まないですっきりと解決

年を重ねると、からだには、さまざまな変化が出てきます。

膣にも老化は現れ、卵巣機能の低下によって、みずみずしさが失われ、老人性腔炎になったり、弾力性がなくなったりします。

そして、腔がたるんできたり、または萎縮が起こってきたりします。

この膣壁のたるみという症状は、特にお産の回数の多かった人とか、難産だった人に多くみられます。

症状は、単に性生活の際にしまりが悪く、具合が悪いということだけではなく、本人の日常生活そのものにも非常に多くの問題が出てくるのです。

膣に隣り合わせた臓器である膀胱は、膣壁のたるみのために下腹部が重苦しく、排尿するのに、きれいに出きらないような気分の悪さがあります。

膀胱下垂にともなって、尿道が膣壁と共に腔の外へ押し出されてくると、尿道下垂と言われます。

そうなると、ちょっと下腹に力を入れたり、小水がたまりすぎたりすると尿漏れを起こす時もあり、なんともなさけない思いをするものです。

もう一つ、膣の隣にあるのが直腸で、これも、お産の回数とか、難産によって、骨盤底部の筋肉や、肛門挙筋が分離されたり、ひきのばされたりしたために、直腸がたるんだ膣腔へもり上がってくることがあります。

これを直腸脱といって、便秘の原因になります。

このように、膣壁のたるみのために、その隣接臓器が、膣腔の中に垂れ下がってくるだけでなく、子宮を固定していたさく状の組織がのびて、子宮そのものも下垂してきます。

まだ軽度の下垂の場合は、膣壁の一部だけが、もり上がったように、膣口からはみ出ている状態で、膣脱と言われるものですが、これが、ひどい状態になると、子宮そのものの下垂がひどくなって、腔壁と共に子宮が膣口からのぞくような状態になり、さらに下垂がひどくなると、ほとんど脱出した状態になります。

以上述べたいずれの場合でも、これは組織自体の変化によるものですから、手術的に治すよりほかによい治療法はありません。

技術的には高度の熟練が必要な手術ですが、患者にとってはそれ程苦痛を感ずる手術ではありませんから、ひとりで悩まないで手術を受け、すっきりされたほうがよいと思います。

更年期性の高血圧は一時的なことが多い

一般に、高血圧症は年齢と共に頻度は高くなりますが、特に更年期の女性の高血圧は、それなりの理由があります。

それは、エストロゲンなどのホルモンを分泌している卵巣の働きが悪くなり、ホルモン分泌のバランスがくずれ、自律神経にも悪影響を及ぼすからです。

その結果、血液中の酸素や栄養を供給し、老廃物を運搬する毛細血管に変調をきたしヽ血圧を上昇させる物質をたえず刺激することになり、常に血圧の高い状態をつくってしまうのです。

私かここで注意したいのは、高血圧を心配するあまり、軽度のノイローゼになってしまいヽますます自律神経の失調を強くしてしまうという恐れがあることです。

検診で「ちょっと血圧が高めですね」とたまたま言われたことを非常に気にして、自分は高血圧になってしまったと信じ込み、別の機会に計った血圧がたとえ正常範囲であっても、正常なほうを疑ってしまって、また、別の病院へ行って検査をしなおさないと落ち着かないという人は、完全に血圧ノイローゼと言えるでしょう。

血圧というのは、たとえ正常な人でも、なにかで興奮したり、不安がつのったりしたら、一時的に変動することがあります。

このように、感情に支配されて高くなることの他にも、食後であるとか、寒い空気にあたった時などは、血圧は高くなります。

また季節によっても、あるいは1日のうちでも高低はあります。

さらに測定の条件によっても変動するものですから、たまたま測った時が、高かったからといってそれをうのみにしてあれこれ心配することはあ
りません。

本当の自分の血圧は、安静時に何度か測定を行った上で、高いか低いかの判断をしたほうがよいでしょう。

特に中年にありかちな更年期性の高血圧というのは、本当の病的高血圧と違って、せいぜい最高血圧が150~140ぐらいで、極端に高くはなりませんし、測る時によってその値は非常に異なるのです。

のぼせたり、めまいがするようになって、たまたま測った時の血圧が高かったからといって、それをすぐ血圧のせいにして悲観したり、自分は高血圧だと思いこむのは早計です。

単に、更年期のホルモン失調からきたものならば、女性ホルモンとか、男女混合ホルモンなどの使用によって容易に治るものなのです。

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