尿漏れは出産経験者に多い?
出産経験者の3~4人に1人は尿漏れで悩んでいるというデータがあり、出産回数が増えるほど、尿漏れを起こす頻度が高くなります。
骨盤底筋(子宮や内臓を支えるハンモック状の組織)が、胎児の重量を支えることで伸びてしまうのが一因です。
また、出産時の赤ちゃんは、3キログラムぐらいあります。
その体が腔から出てくることを想像してください。
膣からボンと出てくるわけではなく、赤ちゃんは時間をかけて、回転しながら骨盤の中を通って、膣から出てくるのです。
赤ちゃんが回転しながら骨盤の中を通るとき、尿道周囲の靫帯や筋肉がゆるみます。
そうして起こるのが「腹圧性尿失禁」。
出産経験者のほとんどはこのタイプになります。
一般的に多い尿漏れの原因もこの「腹圧性尿失禁」で、成人女性の3人に1人は経験があり、咳やくしゃみ、大笑いをしたときに「あら?」ということが起こります。
尿漏れには、「腹圧性尿失禁」のほかに、「過活動膀胱」「混合性尿失禁」「神経性頻尿」などがあります。
このうち「過活動膀胱」は、水などを触っているときに、突然尿意を覚えるもので、15人に1人ほどの女性が悩んでいます。
この症状の一番の原因は、骨盤底筋の弱まりや傷つきです。
「混合性尿失禁」は、30~40代に多く、「腹圧性尿失禁」と「過活動膀胱」の二つの混合型。
ですから、骨盤底筋が弱まっている「腹圧性尿失禁」「過活動膀胱」「混合性尿失禁」には、骨盤底筋体操が効果的です。
さらに、「過活動膀胱」と「混合性尿失禁」は、トイレに行きたくなってもガマンをし、その時間を少しずつ伸ばしていくという膀胱訓練をすることも大事です。
「神経性頻尿」というのは、精神的なストレスが原因で、少しの尿意ですぐにトイレに行きたくなるものです。
これもトイレに行きたくなったらガマンをする膀胱訓練がオススメ。
それと同時に、「これを食べるとトイレヘ行きたくなる」という食品があれば、その食品は避けるようにしましょう。
いずれの症状も、薬や簡単な手術、電気療法、リング挿入などの治療法があります。
重症の方には、もちろんそういった治療をオススメしますが、できれば骨盤底筋体操で、しっかり筋肉を鍛えてもとに戻す方法がいいと思います。
通勤途中や入浴中や家事をしながらでもできるようになったら、1セット10回前後、1日50回を目安に行なうと効果的です。